岐阜大工学部の纐纈守教授(54)天然物化学の研究チームが例年5~7月に鮮やかな黄色に咲き誇るオオキンケイギクの花に抗癌作用のある有用物質が含まれていることを突き止めた。
県内全域に生息域を拡大している特定外来生物で纐纈守教授は「有効利用により駆除に弾みが付けば」と話している。(岐阜大・纐纈教授発見)
オオキンケイギク
北米原産のキク科の多年草。日本には1880年代に観賞や緑化用で持ち込まれた。
一度定着すると在来の野草を駆除し、景観を一変させるとして外来生物法で栽培や運搬、販売が原則禁じられ、違反すると罰則もある。
日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。
オオキンケイギクの抗がん作用
花をアルコールに漬けて含有成分を抽出した。
さまざまな成分を分離・精製したところフラボノイド系の化合物6種類を確認した。
フラボノイドは黄色い色素として存在する天然の有機化合物で、薬理作用や健康増進効果が報告されている。
含有量は刺し身を飾る食用のキクの約5~6倍、観賞用キクと比べても倍以上ある。
実験では培養したヒトの白血病細胞に各化合物を投与し観察した。
うち「4―メトキシランセオレチン」を与えた細胞は2日後には約20%に急減した。
市販抗がん薬と同等の強い効果で、DNA鎖を切断し細胞死に導いたと考えられる。
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